Preliminary Pro Tour Qualifier 2016#3 - Standard - 2016/02/27

プロツアー予備予選2016#3(開催地シドニー) スタンダード



主催 Gameshopさかいや

ヘッドジャッジ マスヤマタクヤ氏 (Lv2ジャッジ)

開催日 2016年2月27日

フォーマット スタンダード(競技)

ラウンド数 予選スイスラウンド6ラウンド、決勝シングルエリミネーション3ラウンド

参加費 2500円

参加人数 34名


プロツアー予備予選とは?

マジックザギャザリングの最高峰のひとつであるプロツアー。これに参加するためには、プロプレイヤーとしての得点を稼ぐかグランプリの上位8名に入るか、それとも、プロツアーの予選を勝ち抜くしかない。

プロツアーの予選は2段階にわかれており、誰でも参加できるのが、予備予選である。これに勝ち抜いたものだけが、地域予選に参加でき、その地域予選を勝ち抜けばプロツアーへの切符を手にすることができる。



Event Images


予選ラウンド

プロツアー予備予選は、店舗開催となるイベントの中でも最も過酷な競技イベントのひとつだ。プロツアーの狭き門は、多くのプレイヤーをふるい落とす。これがその篩の第一門となる。

当店では、可能な限り参加していただけるように、この日だけは、店舗内の什器を動かし、追加のテーブルを設ける。

ただでさえ狭き門なのに、参加するところからの競争は誰も幸せにしない。

選べる賞品

用意した賞品は、モダンマスターズ2015日本語版ブースターパックにゲートウォッチの誓いブースターパック、さらには割引チケット、そして、エクスペディション版《不毛の大地/Wasteland(EXP)》。

 

これらを順位に応じた量を好きな賞品で受け取っていただいている。

賞品はTop8までしか出ないが、その分、十分なものになっていると思う。


決勝戦

とうとう、プロツアー予備予選の勝者を決める最後の戦いが始まった。

泣いても笑ってもこれが最終戦なのだ。

緊迫感のある最高の試合を実際の眼で見ることができるのも、こうしたイベントの醍醐味だ。

 

何が起きても、That's MAGIC : The Gatheringなのである。

ヴィンテージ

ご存じの方も多いが、当店はレガシープレイヤーに多く来店して頂いている。もちろん、旧いカードも他の大きなお店にも負けないように力を入れて取り扱いしている。

此度は、ヴィンテージプレイヤーが来店され、そのフリープレイを見る機会に恵まれた。

自分にはプレイしたこともないカードが乱れ飛ぶのは見ていて、その世界に憧れを抱いてしまうので(財布に)良くない。



Today's Cards

《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KTK)》

 

おそらくMarduGreenの根幹はこのカードが支えている。アブザンのカードだと、サイが目立つが、恐らく最も壊れているのは魔除けの方だと思うのだ。

 

Aggro相手には、多少重いが、信頼できる追放除去となり自然に《先祖の結集/Rally the Ancestors(FRF)》や《死霧の猛禽/Deathmist Raptor(DTK)》に抵抗できる。コントロール相手には2枚のカードを引くことで単純な手数の増強ができ、いずれにも死に札にならない。

さらにインスタントタイミングで使えて死角もない。

 

強すぎるだろ、これ。

《空中生成エルドラージ/Eldrazi Skyspawner(BFZ)》

 

戦乱のゼンディカー収録のなんてことはないコモンカードが、最近の注目株だ。AggroからMidrangeまで、幅広いデッキに採用されている。単純に飛行戦力が重要な環境であることも採用理由になるだろうし、無色なので《幽霊火の刃/Ghostfire Blade(KTK)》との相性も見逃せない。さらにエルドラージ末裔を伴っての登場で、次の高マナ域カードの補助ともなるとあっては、お声がかからないほうがおかしい。

実際には低いタフネスや微妙に重いマナなど欠点もあるが、このカードをうまく使いこなせるプレイヤーは、プレイヤー自体も強いに違いない

《苦い真理/Painful Truths(BFZ)》

 

3枚引けるカードは強い。以上。

 

今回の黒を含む多くのデッキのアドバンテージ源として使用されていた。失うライフは小さくないが、それ以上のものを得ることができるだろう。

2枚引けるカードは、使ったカード1枚で2-1=1だが3枚引けるのは3-1=2で、2倍の効果がある。

だから、強い。

《炎呼び、チャンドラ/Chandra, Flamecaller(OGW)》

 

そして、チャンドラ姐さんだ。

最近のゲートウォッチの誓いのシングルカードの価格をみてれば、わかるんじゃないかな。

 

実際には、Grixisだけではなく、赤くて遅めのデッキには多く使われていた。プレインズウォーカーとしては、自分の身を守れなかったりアドバンテージが稼ぎにくかったりと落第すれすれの彼女だが、相手を殺す勢いだけは素晴らしい。可及的速やかに相手の息の根を止めてくれる。

まさにチャンドラらしい良カードだった。


Metagame Breakdown

ゲートウォッチの誓いが加入して十分な時間がたった。新たなカードたちがメタゲームを大きく動かしている。

AbzanAggroが王者の中の王者と呼ばれた時代は終わった。5人の使用者は誰もTop8に残ることができなかった。

驚くべきは3人のGrixisContorolが全員Top8に残ったことだ。多くの除去とそれらを引き増すアドバンテージカードが、Abzanの全てのクリーチャーを焼き払ってしまった。

同様にEsperDragonも除去とアドバンテージ源を持ち、アグロデッキを駆逐するのを手伝った。

前衛的かつ攻撃的なデッキはJeskaiAggroだけがTop8に駒を進めた。黒の除去カードや重量級クリーチャーを使う代わりに軽い青の飛行クリーチャーを用い、純正三色のJeskaiに仕上がった。

優勝はMarduGreenだった。パーツ選択に柔軟性があり、アグロにもコントロールにも対処できる良いとこどりのようなアーキタイプで、流行の兆しが見えている。今回は1/3のTop8選出率となったが、Top8ではGrixisControlの海を渡りきってのみごとな優勝であった。

Color   ArchiType   Top8
Jeskai(WUR)

7

Jeskai Aggro 1 1
Dark Jeskai 4 1
Dark Jeskai Dragons 2  
Mardu(WBR) 6 Mardu Green 3 1
Mardu Tokens 1  
Mardu Midrange 2  
Abzan(WBG) 5 Abzan Aggro 4  
Abzan Red 1  
Esper(WUB) 3 Esper Dragon 3 2
Grixis(UBR) 3 Grixis Control 3 3
Eldrazi Ramp 2 RG Eldarzi Ramp 1  
URG Eldrazi Ramp 1  
Eldrazi Aggro 2 UB Eldrazi 1  
4C Eldrazi 1  
Bant(WUG) 3 Bant Company 3  
4C 2 4C Rally 2  
RG 1 Atarka Red 1